(日記)海外で「本当の幸せ」を感じた話

ずっと前から胃が痛かった。

また、外国人の前に立って発表をしなければならない。

もちろん他に誰かに強制されたわけではなく自分自分が好きで望んだことだが、それでも慣れないものは慣れない。

「まあ何とかなるさ」と思っていても、発表直前になるまで気が気ではなかった。




そしてついに発表の時が来た。

声と足が震えた。

それでも最後まで食らいついた。

精一杯、無理をしながら。

オーディエンスはネタに笑ってくれた。

 

人種や言語の違いなんてものは、全く関係ない。

要は、言いたい事や気持ちが伝わるかどうか。

キザな言い方をすれば、心と魂を言葉に込めるかどうか。

 

発表が終わって自分のイスに座った瞬間、心が浮いた。

ものすごく大きな達成感を感じた。

「やっと終わった!」と心はウキウキしていた。

帰りの飛行機の中で、眠気でまどろみながら、夜明け過ぎに現れた太陽が窓から見えた。

暗闇から見えた、本当に燃えそうなくらいの真っ赤な空。

今までの苦労を思い出し、感極まった。

 

この気持ちや達成感こそ、苦労もせずに手に入る刹那で一時的な快楽で得られるような「偽りの幸せ」ではなく、後にまでずっと記憶に残るような「本当の幸せ」なのだろう。

手に入れるのに苦労すればするほど、それを手にし達成した時の喜びは大きくなる。

 

日本に帰国後、またいつもの平凡な日常に戻った。

周りの人々には日本語という言葉が通じて、どこの店でも美味しい食事が食べられて、夜に一人で歩いても安全で、まったく問題のない街。

・・・やはり、どこか物足りなさを感じる。

何もかもが安定した毎日を過ごしていても、苦労も幸せも感じないような平凡な人間にしかならない。

心のどこかで、また新たなチャレンジを求めている。